お久しぶりです。年明けから全くブログを書けていませんでしたが、生活も落ち着いてきたのでこれから月に4本を目安に書いていけたらと考えています。
久しぶりのブログは、令和8年度から始まる『こども誰でも通園制度』について書いていきます。
こども誰でも通園制度とは?
「こども誰でも通園制度」とは、保護者の就労に関係なく、家庭で子育てをしている0歳6ヶ月〜満3歳未満の子どもが、保育施設などを時間単位で柔軟に利用できる制度です。これまで保育園は「保護者が働いていること」などが利用条件でしたが、この制度ではそうした制限がなく、すべての家庭が利用できます。
年度ごとの動き
- 令和6年度
制度の本格実施を見据えた試行的事業開始
- 令和7年度
法律上制度化(地域子ども・子育て支援事業)
自治体の判断において実施(福岡県は、福岡市と北九州市)
- 令和8年度
法律に基づく新たな給付制度(全自治体で実施)
なんとなくニュースで聞いたりしていましたが、調べてみるとここ数年で複数の自治体で試行的に行っていたみたいです。私たちが住んでいる北九州市にあっても、令和7年夏頃から『こども誰でも通園制度』の試行事業を実施するとのことです。次項では詳しく試行事業の内容を見てみます。
【北九州市版】こども誰でも通園制度試行事業
北九州市では、全ての子どもの育ちを応援し、多様な働き方やライフスタイルに関わらない形での支援を強化するため、月一定時間までの利用可能枠の中で保護者の就労有無に問わず時間単位で利用できる新しい通園制度「こども誰でも通園制度」の試行事業を実施します。
利用対象となる児童
- 北九州市内に居住していること。
- 保育所、幼稚園、認定こども園、地域型保育事業所等に通っていないこと。
利用可能時間
- お子さま一人あたり月10時間を上限に利用可能です。
利用料
- お子さま一人1時間あたり300円
対象施設と利用方法
対象施設と北九州市の子ども事情
北九州市は7つの区に分かれています。各区に設置された施設数は以下のとおりです。
- 門司区 4施設
- 小倉北区 2施設
- 小倉南区 2施設
- 若松区 3施設
- 八幡東区 1施設
- 八幡西区 1施設
- 戸畑区 1施設
エリアによっては差があるものの、全区で少なくとも1施設以上が対応しており、市全体での取り組みとして広がっていることがわかります。詳しい施設情報については北九州市ホームページをご確認ください。
区別の状況を見ると、北九州市の子どもの数も気になったので調べてみました。
年齢別人口(0〜4歳)の状況(2023年6月30日時点)
子どもたちの数(0~4歳)は以下のようになっています
- 門司区:2,300人
- 小倉北区:5,700人
- 小倉南区:7,200人
- 若松区:2,500人
- 八幡東区:1,700人
- 八幡西区:8,100人
- 戸畑区:1,700人
これらの数字を見ると、特に八幡西区や小倉南区などでは施設数が子どもの数に比して少ない状況であり、今後の増設や受け入れ拡大が期待されますね。
利用方法
利用にあっては希望施設に直接利用の申し込みを行います。また対象施設ごとに受付状況が違うため、北九州市ホームページを確認するか、直接施設に確認した方が良さそうです。※複数施設利用はできません。
実際に私たちが利用を検討していた小倉エリア(小倉北区、小倉南区)にあっては4施設のうち2施設は受付終了となっていました。現実的に考えると、今年度は試行事業のため施設のマンパワーも足りていないことが予想されます。どのくらいの人数を受け入れることができるかは利用者からは見えにくいところですね。また、施設によって、受け入れ可能年齢や、実施日等も異なっているため、要チェックが必要になります。
一時預かりとの違いは?
「子供誰でも通園制度」とよく似たサービスに「一時預かり」がありますが、両者にはいくつかの違いがあります。
項目 | 一時預かり(一時保育) | こども誰でも通園制度 |
---|---|---|
対象児童 | 生後6か月から小学校就学前までの子ども | 0歳6か月から満3歳未満の子ども |
利用目的 | 保護者の就労、病気、出産、育児リフレッシュなど一時的な保育が必要な場合 | 保護者の就労有無にかかわらず、すべての子どもの育ちを応援するための支援 |
利用時間 | 午前9時から午後5時まで | 月10時間まで(1時間単位で利用可能) |
利用料金 | 3歳未満児:日額2,000円 | 1時間あたり300円 |
利用手続き | 事前登録が必要。利用希望日の1週間前までに区役所保健福祉課へ申請 | 利用希望施設に直接申し込み。 |
実施施設数 | 市内69か所の保育所等 | 市内の一部幼稚園・保育園・認定こども園(施設により実施日・時間が異なる) |
利用制限 | 断続的保育・育児リフレッシュ:週3日まで 緊急保育:利用日から14日まで | 月10時間まで(翌月への繰り越し不可) |
「一時預かり」は、保護者の就労や急な事情等に対応する保育サービスです。一方、「こども誰でも通園制度」は、保護者の就労有無に関係なく、全てのこどもが短時間でも集団生活を体験できるよう支援する制度となります。
実際のところ利用した方がいいのか。メリットデメリット考えてみた
メリット
- 就労要件なしで利用できる(専業主婦、育休中でもOK)
- リフレッシュや育児疲れの軽減に繋がる
- 子供が集団生活を経験できる
- 将来の保育園入園前の慣らしにもなる
デメリット
- 施設数が限られているため予約が取りにくい
- 長時間預かりや延長保育は非対応な場合が多い
- 月齢によっては使えない施設もある
- 制度の認知が追いついていないためユーザーまで正しい情報が届いていない
- 自治体によって差が生じてしまう可能性もある
一番頼りにするわけではなく上手に活用しよう
必要な時に少しだけ、一時預かりのような感覚で利用するのもありかなと考えています。「今日はリフレッシュしたい」「子どもに新しい刺激を与えたい」などそんな時に強い味方になってくれる制度かもしれませんね。無理せず頼れる選択肢が増えたことで、選択肢の幅が広がった気がします。